Web会議の声をクリアにするマイク・ヘッドセットの選び方|音質で印象が変わるという研究も

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ノートPCの内蔵マイクで声がこもる・響くと感じていませんか。音質が話し手の評価を左右するという研究を紹介しつつ、ヘッドセット・USBマイク・ワイヤレスイヤホンの選び方と、すぐできる設定のコツをまとめました。

窓辺のデスクでマイク付きヘッドセットをつけ、ノートパソコンでオンライン会議をする人のイラスト

オンライン会議で、カメラの角度や背景には気を配っていても、「声」は意外と後回しになりがちです。自分の声が相手にどう聞こえているかは、自分ではなかなかわかりません。

「ちょっと声が遠いです」「キーボードの音が入っています」と言われたことがあるなら、マイクを見直すタイミングかもしれません。この記事では、音質が話し手の印象を左右するという研究を紹介したうえで、在宅ワークで使うマイク・ヘッドセットの選び方と、買ってすぐにできる設定のコツをまとめます。

この記事でわかること

  • 音質の良し悪しが、話の中身の評価まで変えるという研究
  • ノートPCの内蔵マイクで声がこもったり響いたりする理由
  • ヘッドセット・ワイヤレスイヤホン・卓上マイクの違いと選び方
  • お金をかけずにできる設定と、部屋の工夫

音質が悪いと、話の中身まで低く評価される

オーストラリア国立大学のEryn Newmanと南カリフォルニア大学のNorbert Schwarzは、録音の音質が聞き手の評価にどう影響するかを実験で調べました(Newman & Schwarz, 2018)。

実験では、研究者による学会発表の動画(実験1)と、アメリカの公共ラジオ番組で放送された科学者へのインタビュー(実験2)を、音質の良いものと悪いものの2通りで聞いてもらいました。話している内容はまったく同じです。

それにもかかわらず、音質の悪いほうを聞いた人は、研究の内容と話し手の研究者の両方をより低く評価しました。

研究のポイント

話す内容が同じでも、音質が悪いだけで、話の中身や話し手への評価が下がることがある。

この実験は録音を聞いてもらう形で行われたもので、リアルタイムのWeb会議で同じくらいの影響があるかまではわかりません。それでも、提案や報告をする場面で「聞き取りにくい声」が損をしているかもしれない、とは考えておいてよさそうです。

ノートPCの内蔵マイクで声がこもる・響く理由

ノートPCの内蔵マイクは手軽ですが、Web会議では次のような問題が起きやすい位置にあります。

  • 口から遠い:マイクと口が離れるほど、声に対して部屋の反響や生活音の割合が大きくなります。お風呂場で話しているような、響いた声になりがちです
  • キーボードのすぐそばにある:打鍵音やクリック音を拾いやすく、議事録を取りながら話すと相手に響きます
  • PCのファンの音を拾う:重い作業をしながらの会議では、ファンの音が入ることもあります

どれも、マイクを口に近づけるとかなり改善します。逆に、高価なマイクでも口から離れた場所に置けば同じ問題が起きます。マイク選びでいちばん大切なのは、性能よりも口との距離だと考えてください。

マイクの種類と向いている人

在宅ワークで使われるマイクは、大きく4つに分けられます。

種類よいところ気をつけたいところ向いている人
ヘッドセット(有線・USB)マイクが口元にあり、声が安定する。比較的安い長時間つけると頭や耳が圧迫されやすい会議が多く、とにかく安定させたい人
ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンケーブルがなく手軽。ふだん使いと兼用できるマイクが口から遠い。Bluetoothは通話中に音質が下がりやすい会議が短め・少なめの人
卓上マイク(USB)声の質がよく、耳をふさがない部屋の反響やキーボードの音を拾いやすい発表や説明が多く、声の質を重視する人
スピーカーフォンマイクとスピーカーが一体。エコーを抑える機能を持つものが多い周りの音も拾いやすい。一人で使うにはやや大きい耳に何もつけたくない人

ワイヤレスイヤホンを会議に使うときの注意

Bluetoothのイヤホンやヘッドホンの多くは、マイクを使い始めると通話用のモードに切り替わります。従来のBluetoothでは、このモードの音質が音楽を聴くときより低く、「会議に入った途端に相手の声がこもる」と感じるのはこのためです。

新しい規格の「LE Audio」に対応した機器では、通話中の音質の改善が進んでいます。ただし、PCとイヤホンの両方が対応している必要があるので、購入前に確認しましょう。

また、イヤホン型はマイクが口から遠いぶん、周りの音を抑える処理に頼る部分が大きくなります。会議が長い日や大事な発表がある日は、口元にマイクがくるヘッドセットのほうが安心です。

卓上マイクを使うときの注意

卓上マイクを使うときは、相手の声をスピーカーではなくイヤホンやヘッドホンで聞くのがおすすめです。スピーカーから出た相手の声をマイクが拾うと、相手に自分の声が返って聞こえる「エコー」の原因になります。

マイクはキーボードから離し、口のほうに向けて置きましょう。卓上アームで口元の高さまで持ち上げると、さらに声が安定します。

選ぶときにチェックしたい5つのポイント

1. マイクの位置と指向性

マイクには、周りの音をまんべんなく拾う「無指向性」と、正面の音を中心に拾う「単一指向性」などの種類があります。在宅ワークでは、口の方向の音を中心に拾う単一指向性のほうが、部屋の反響や生活音が入りにくくなります。

ヘッドセットなら、マイクのアームを口元まで近づけられるものを選びましょう。

2. 接続方法

  • USB・有線:接続が安定していて、電池切れの心配がない。会議が多い人の第一候補
  • Bluetooth:ケーブルがなく自由に動ける。通話中の音質と、電池の持ちを確認する

3. マイク側のノイズ対策

「ノイズキャンセリングマイク」「ENC(環境ノイズキャンセリング)」などと書かれた製品は、マイクが拾った周りの音を抑える機能を持っています。

また、手元でミュートできるボタンがあると、急な来客や家族の呼びかけにすぐ対応できて便利です。

4. 長時間つけたときの快適さ

1日に何時間も会議がある人は、重さ・イヤーパッドの素材・締めつけの強さを確認しましょう。片耳タイプなら圧迫感が少なく、家族の声やインターホンにも気づきやすくなります。

5. 相手の声の聞こえ方

マイクばかりに目が行きがちですが、相手の声の聞きやすさも大切です。聞き取りにくいと、何度も聞き返したり、音量を上げすぎたりする原因になります。ヘッドセットを選ぶときは、スピーカー側の評判もあわせて確認しましょう。

タイプ別に探すなら

ここまでのポイントをもとに、タイプ別の探し方をまとめました。リンク先は各ショップの検索結果です。

USBヘッドセット(マイク付き)

おすすめマイクのアームを口元まで近づけられるものを。接続が安定していて電池切れもないので、会議が多い人の第一候補。

  • オンライン会議
  • 安定

片耳ヘッドセット

おすすめ圧迫感が少なく、家族の声やインターホンにも気づきやすい。長時間の会議が多い人に。

  • オンライン会議
  • 長時間

卓上USBマイク(単一指向性)

おすすめ声の質を重視する人に。相手の声はイヤホンで聞き、マイクはキーボードから離して口のほうに向けて置く。

  • 声の質
  • 発表

スピーカーフォン

おすすめ耳に何もつけたくない人に。エコーを抑える機能があるものを選ぶ。

  • オンライン会議
  • 耳が楽

お金をかけずにできる設定と部屋の工夫

新しいマイクを買う前でも、買ったあとでも、次の4つは一度見直しておきましょう。

  1. 自分の声を録音して聞く:Web会議アプリのテスト機能や、OSの録音アプリを使い、ふだんの会議と同じ姿勢で話して録音します。こもり・響き・打鍵音などに気づけます
  2. アプリで選ばれているマイクを確認する:OSで選んだマイクと、Web会議アプリで使われているマイクが違うことがあります。新しいマイクをつないだら、アプリ側の設定も確認しましょう
  3. ノイズ抑制の設定を使う:ZoomやMicrosoft Teamsなど、多くのWeb会議アプリには背景の雑音を抑える設定があります。強くしすぎると声の一部まで消されることもあるので、録音して聞きながら調整しましょう
  4. 部屋の反響を減らす:壁や床がむき出しの部屋は声が響きます。カーテンを閉める、ラグを敷く、背後に本棚を置くなど、柔らかいものを増やすと反響が和らぎます

大事な会議の前に

自分の声を10秒ほど録音して聞いてみるのがおすすめです。マイクの選び間違いや、思わぬ雑音に前もって気づけます。

耳の負担にも気をつけて

ヘッドセットやイヤホンを1日中つけていると、耳への負担も気になります。WHO(世界保健機関)は、音量を最大の60%以下にすることや、ときどき耳を休ませることをすすめています。

会議の合間には一度ヘッドセットを外し、耳を休ませる時間をつくりましょう。音量と時間の目安は、在宅ワークの騒音対策の記事でくわしく紹介しています。

まとめ

悩み見直したいポイント
声が遠い・こもると言われるマイクを口元に近づける(ヘッドセットを使う)
キーボードの音が入る内蔵マイクをやめ、マイクをキーボードから離す
会議に入ると相手の声がこもるBluetoothの通話モードが原因。有線・USBのヘッドセットを検討
「声が二重に聞こえる」と言われる相手の声はスピーカーではなくイヤホンで聞く
部屋で声が響くカーテン・ラグなど柔らかいものを増やす

最初の一歩は、高いマイクを買うことではなく、自分の声を録音して聞いてみることです。そのうえで「口元にマイクがあるか」を基準に選べば、大きく外すことはありません。

マイク以外の道具は在宅ワークがはかどるおすすめアイテム7選、集中しやすい環境づくりは論文で分かった、在宅ワークで集中力を高める5つのコツもあわせてどうぞ。

参考文献

  1. Newman, E. J., & Schwarz, N. (2018). Good Sound, Good Research: How Audio Quality Influences Perceptions of the Research and Researcher. Science Communication, 40(2), 246–257. (新しいタブで開きます)
  2. World Health Organization. Deafness and hearing loss: Safe listening (Questions and answers). (新しいタブで開きます)

この記事を書いた人:リモート日和 編集部

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